29 年の瀬

12月中に一度死亡するんじゃないかと思っていたら、もう仕事納め。
クリスマスイブに会社から花火をみることになるとは思いませんでした。

今年も一年、いろいろあった。もちろん最も大きな出来事は震災。日本全体が色んな意味で弱っていたし、そういうときこそ人と人との関わり合い、つながりという本当に単純であたりまえのことが貴重だということを強く感じた一年だったと思う。
個人的にも社会人2年目になり、どんどん仕事は増えていくし、一人で決めなければいけないことが増え、会社にいる時間も長くなったことで、なんか孤独だ・・とおもうことが増えた。

奇しくも震災の翌日には九州新幹線が開通した。残念ながらキャンペーンは全て中止になったようだけれど、このCMのインパクトはすごかった。放送されなくとも、弱った日本にはこういうのが必要だと誰しもが思ったのか、youtubeの再生回数もすごい。後半の「あの日・・ありがとう」のナレーションで泣きそうになる。
全路線を流す新幹線に搭載したカメラに、沿線の人たちが手を振るだけ。ただそれだけのこと。でもそれがすごい。みんな笑顔で、集まって、手を振っている。見ず知らずの人が集まって。事前の準備も相当しただろうから、「集まった」のか「集めた」のか知らないけれど、たくさんの人が、一本の新幹線に笑顔で手を振る姿ってのはなんて幸せな光景だろう。
このCM自体は九州新幹線の細かい仕様にはフォーカスしないで、九州新幹線が人にもたらすものをダイレクトに人を使ってアピールしている。工事自体大規模で、反対運動とかもあっただろうし、すべてが良くなったわけではないと思う。でも、こういう笑顔が見られたらそれはとても幸せなことだし、世の中にはその正しさみたいなもの、多分高度成長期にあったような希望のようなものが伝わる。

CMってのは物をとってもわかりやすく説明するものもあるし、真逆に何やってるかもわからないようなものもある。でも個人的には何やってるかわからないCMのほうが、その会社の土壌を知ることができる感じでよいとおもう。三井住友銀行とかもお気に入り。

ちなみに建設業も、自社物件をつくる意外は基本的に人のものを作る会社なので、抽象的な物が多い。仮装大賞子供は満点ルールを悪用したようなCM、無駄に新海さんをつかったCM(秒速・・の感じはすき)、環境のはなしばっかりする暗いCM。・・・各社広報の人たち、もっと考えよう。
建物をつくる喜びも最終的には人間ありきってところじゃないですか。使いにくいってのはあるけれど、やっぱり設計施工案件を普通に使って、担当者と、何も関係ない一般人のストーリーがパラレルで進んで行くとかそういうCM、つくれないかなぁと思う。法人相手にしか営業しないんだから、テレビCMは企業イメージアップでしょう。ならなおさらですよ。

そんなことを思う2011年のおわり。

そういえば一級建築士になった。