001 新たなスタートという

6年も大学にいて、この春からやっとのこと社会人なるものになりました。
春からは建築の設計に関わる仕事をしています。(実際まだ勉強している段階ですが)
最初にいっておきますが、この社会人という言葉が少し嫌いです。
あと、学生と社会人の違いをいちいち説かれるのもなんか不愉快です。
責任が云々ね。
大学での生活は、嫌なこと、キツいこといろいろありました。でも今までの生活の中では最も充実していて、自分の中での世の中の捉え方(こう言うと社会に出たらまた変わる、と言われると思うのですが)、正確には世の中の捉え方の尺度を規定することができたような気がしています。
社会的責任というのはわかりますが、自分は今までも無責任に生きてきた自覚はみじんもない!これからも、同じように自分の人生には全責任を負っていくのです。
就職するにあたって、これからの無限の可能性!とか高まっているフレッシュマンも多いでしょうが、大体人間は生まれた時から可能性をどんどんそぎ落としていって最終的に死ぬくらいの気がしてなりません。おおネガティブ。でもせめて、そんなタマネギのような人生(むきつづけたらなにもない)を、りんごくらいには変えたいと思います。りんごは固い芯があるからね。
これからの数年間は、自分を取り巻く状況を自分なりに解釈できればと思っています。社会とはこういうもの!これをのみこむと成長できる!といった結局あきらめでしかない成長なんかはいらない。自分のこれは正しい、これは正しくないという感覚を研ぎすませるための社会見学です。いや、仕事は見学ではなくてしっかりしますが。
今は会社の体制のアナクロ加減に不安を覚えたり、一部のアツい同期との温度差に若干とまどったりしています。そういうところで冷めた自分って実は単なる現代っ子なのかもしれんと思ったりも一瞬しますが、30も歳が離れている人との考え方なんて違って当たり前で、逆に言えば将来そういう年齢になったときに、あの人達と同じことしていてはそれこそ「成長はない」状態です。だからこそ、今の状況をそういうものとして理解していてはダメだ、と思うんです。
まあまわりがこの考え方に対してどう言おうと、自分は自分ということで、この場を使って成長記録(笑)をつけさせていただきます。どうぞよろしく。

タイトルは、吉行淳之介のエッセイ2冊より。こんな生き方ってすばらしい。
絶版だから売ってはいませんが。