002 あくまで自発的

建築に携わるものとして、どうしても避けて通れない資格というものがある。
世にも有名な一級建築士
ことわりを入れておくと、一級建築士=建築家ではない。有名な建築家も意外と一級をもっていない人が・・
これは要するに一級建築士という資格は法律上建築を設計するときに必要なものだけれど、申請上の設計者や一級建築士事務所のドンは実は別人というテクニック。
大学院をでた自分にはその受験資格がある。ちなみに、大学院入学が1年ずれていたら大学院を必要な実務期間=2年とカウントしてくれなくなっていたので幸運と言えば幸運な世代。
そして会社に入るやいなや一年目合格のプレッシャーに追い回されることになる。
正直ここまでいわれるとは思っていなかったのですが。
受験資格があるとはいえ、仕事としての建築設計に関しては全くのシロウト。そんな新入社員が1年目で世の中のすべての建物を設計できる資格を持てる可能性があるということは、逆に言えば、難関のくせに、大して意味のない資格だともいえてしまう。本当に必要かどうかはよくわからないし、実際はもっと経験を積んだ人が自然な流れで取るのが一番よい。
だから今は、何となく取らされている、と思ってしまう。ただし表向きはあくまで自己啓発の一環。だからこの資格に関する勉強は、あくまで個々の欲求によって発生してることになっている。(大体人生において何かの選択をしたときは、それがどんな外的要因に左右されようと、それは当人の意思によって選択されたと解釈されることになっている気がする。)内定のころから課題をガンガン送ってこられたが、修論で瀕死の状態の時期に締切日があったりして正直腹立たしかった。あなたのため、というのはまあ百歩ゆずって理解できるけれど、やる義務はない。世の中全ての内定者研修なるものに疑問を持っている私です。
さて、やらされていると思うと努力は一瞬で怠惰に変わるのだけれど、実際に怠惰なのだけれど、適応能力があるので、いや、単に小心者のなので勉強する。

ただ、ノートと鉛筆で学術的知識を蓄えていくことは、名前の書いた紙切れの渡し方や、エレベーターでのポジショニングを覚えることと比べれば異常なほど楽しいということを今日久しぶりに思い出した。